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読書覚書き『身体はトラウマを記憶する』

『身体はトラウマを記録する』  ベッセル・ヴァン・デア・コーク
『身体はトラウマを記録する』 ベッセル・ヴァン・デア・コーク

読み返している本です。

目に留まった部分を覚書き。


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p.56-
動物を対象とした実験について
(※いまでは、動物倫理意識が進んでいて、行われることのない実験だと思われます)


「逃避不能ショックと学習性無力感」

 

マイヤーとセリグマンは、錠を下ろした檻に犬を閉じこめ、 痛みを伴う電気ショックをくり返し与えた。→「逃避不能ショック」
 
何度か電気ショックを与えたあと、檻の扉を開き、 再び犬たちにショックを与えた。
 
それまでショックを与えられていなかった対照群の犬たちは、ただちに逃げだしたが、
以前に逃避不能ショックを与えられていた犬たちは、
扉が全開になっていたにもかかわらず、まったく逃げようとしないで、ただその場に横たわり、くんくん鳴きながら脱糞していた。
 
→トラウマを負った動物、あるいは人間は、逃げだす機会があったとしても、ただそれだけでは自由の身になる道を必ずしもたどるとはかぎらない。
マイヤーとセリグマンの犬と同様、トラウマを負った多くの人はあっさりと諦めてしまう。
 
彼らは新たな選択肢を試す危険を冒さずに、旧知の恐れにがんじがらめにされてしまう。
 
 
それだけトラウマ(この場合は逃げようのない環境の中で与えられる続ける電気ショック)が動物(や人)に与える影響は大きく、大きな無力感を感じることにつながる、ということだと思います。


第5章では、これを解くための方法(アプローチ)について書かれているようです。
覚えていたら、こちらのブログにも追記をしようと思います。

話は変わりますが、
表紙の絵はマティスの『ジャズ』シリーズの絵で、わたしの好きな絵シリーズの1つです。


以下、HOMUさんHPより

版画集『ジャズ』は、マティスによる切り紙絵に基づいた挿絵本です。

この「ジャズ」シリーズはマティスの晩年における芸術的革新の結晶であり、色彩と形が織り成すダイナミックな世界を象徴しています。」

 

1947年に発表されたこのシリーズは、マティスの独創的な切り紙絵の技法を用いて制作され、サーカス、神話、タヒチ旅行の思い出など多様なテーマが色鮮やかな作品に反映されています。

マティスはこのシリーズを通じて、従来の絵画表現から離れ、色紙とハサミによる新たな表現方法を開拓しました。」

 

タイトルは「ジャズ」となっていますが直接的に音楽の「ジャズ」をモチーフとして制作されたのではないそうです。

色と動きを自由で即興的に組み合わせて生み出された作品は、まるでジャズ音楽のようであり、カラフルで自由なモチーフのぶつかりあいが、ジャズ特有のリズムとなっていることから、そのタイトルがつけられました。」

 

(以上引用)

 

 

リンク先には、さらに詳しい絵の紹介が載っていて、読んでいて勉強になります。✍️

 

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半年ほどまえ、アーティゾン美術館で、このマティスの『ジャズ・シリーズ』が展示されていたように思います。(観に行きました)。

 

全部で20作品あったのですが、まさに、色と動きの自由な組み合わせで、観ていてワクワクする気持ちになるような、のびのびしたエネルギーのある絵と感じました。

 

タイトルを見ず、どんな場面を描いた絵だろう?と想像するのも楽しかったです。

 

皆さんもぜひ、機会があれば観てみてください。